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【レシピ】ミシュラン獲得フレンチシェフ・岸本直人さんの青森シャモロックゆずコショウのラカージュ


新しい食材にも積極的に。フレンチを進化させる。

ランベリー 岸本直人さん

東京メトロ表参道駅から歩いて5分足らず。フレンチの名店ランベリーは、ビルの地下1階に静かなたたずまいを見せる。

地階でありながら、大きな窓からは明るい日差しが差し込む。料理を彷彿させるような、エレガントな空間が広がっている。

2008年に『ミシュラン東京』が出版されて以来、6年連続で星を獲得。グルメならずとも、この店の名を知る人は多い。その厨房を担うのが、岸本直人シェフである。

※ランベリーは、2020年閉店。

旨い素材をフレンチの技法でさらに旨く、美しく

岸本さんは言う。

「それぞれの素材にかかわっている人間の情熱的な営みがなければ、旨い食材は存在しえない。料理とは、その素材に加える最後のひと工程だと思います」

その思いを形にするために、今回、岸本さんはドライエイジングビーフと青森シャモロック、江戸東京野菜を食材のメインにした。いずれも生産者の熱意が育てた、極上の素材である。「青森シャモロックもさの萬さんのドライエイジングビーフも、焼いて塩コショウをするだけで十分に旨い。でも、それではガストロノミーにはならない。僕はフランス料理の技法でアプローチし、旨い素材をさらに旨く、美しく作り上げたい」

その言葉の底には、若い頃の体験がある。修業時代、恩師である「ラ・ロシェル」のオーナーシェフ坂井宏行さんのアシスタントとして一緒に全国を回った。そして、坂井さんが次々と日本各地の優れた食材に注目するのを目の当たりにした。フランスにはない国産の食材を使うことで表現の幅が広がり、日本でしか食べられないフランス料理がみるみる誕生していく。

自分の中の発想の小箱が、パチンと弾けた。

【レシピ】青森シャモロック ゆずコショウのラカージュ、金町こかぶのファルシー青森産なめこ添え

青森シャモロックは胸肉ともも肉を使用。オイルチラーで低温加熱したのち、フライパンで表面をこんがり焼く。金町コカブのファルシを添えてゆずコショウ味のコンソメスープを注ぎ、愛らしいひと皿に。

材料(4人分)

青森シャモロック…1羽分(胸肉)/米油、バター…適量

柚子コショウのラカージュ
ハチミツ…20g/赤ワインビネガー…10㏄/シェリービネガー…5㏄/赤ワイン…20㏄/コーンスターチ、柚子コショウ…各適量/

青森シャモロックガラスープ
青森シャモロックガラ…適量/渡辺早生ゴボウ…1本/東京ウド…1/4本/ネギ(緑)…2本分(焦がしネギ用)

金町コカブのファルス
金町コカブ…大4個/ビーフコンソメ…200㏄/カブの葉…4個分の柔らかい下の部分 /小松菜…1束分/ニンニク…半かけ/バター、塩、コショウ…各適量/38%生クリーム…150㏄~200㏄/ミクロフィユ…適量(飾り用)/なめこ…80g

作り方

  1. 胡麻味噌を作る。鍋に西京赤味噌、砂糖、酒、濃口しょう油、みりんを入れて火にかけ、絶えずかき混ぜる。沸き立ってきたら弱火にして、5分程練る。
  2. 白胡麻を鍋に入れて弱火で煎り、すり鉢で少しすったら、1の味噌に混ぜる。
  3. タイの身を塊で購入した場合は、食べ易い大きさに切る。
  4. キヌサヤは、軽く湯通しして、お吸い物の濃さのだしに1時間漬けておく。
  5. ミョウガ甘酢漬けを作る。ミョウガを30秒程ゆでた後、塩をふる。粗熱が取れたら、甘酢(水:3、砂糖:1を鍋に入れてひと煮立ちさせ、火を止めて米酢:3を入れて冷ましたもの/分量外)にひと晩漬ける。
  6. タイの身と胡麻味噌を和える。熱々のご飯に、炙りたての焼のり、煎りたての胡麻をのせて、タイの身を盛りつける。仕上げにキヌサヤ(1枚を1/2に切る)とミョウガ(1本を1/4に切る)を彩りよく飾る。

Naoto KISHIMOTO
「ラ・ロシェル」などで修業したのち、渡仏。ロワール地方やパリの星付きレストランで研鑽を積み、 1996年に帰国。2006年に「ランベリー」をオープンする。2010年に現在の場所へ移転。2012年よりオーナーシェフとなる。

本記事は雑誌料理王国2013年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2013年3月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。






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